原生林と自然釉の壺 展
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祝 高速道路開通  穴窯で赤松30トン、10昼夜の焼成。

期間:2014年 4 26日(土)〜5 18日(日) 時間:AM 9:00〜PM 5:00 *木曜定休
会場:ギャラリー 龍窯
   〒786-0097 高知県高岡郡四万十町日野地326
  <ギャラリー龍窯 地図>
   Tel&Fax/0880-23-0054
   作家携帯/090-4506-0572
   ● 龍馬空港からギャラリー龍窯まで 車で1時間半。
     四万十町中央ICより 車で25分、松葉川温泉 手前1kmに看板あり。

 
小保方晴子博士 頑張れ!

私は早大理工学部に6年在籍し中退した。卒論は優だったが卒業設計がタイムリミット内に完成しなかった。
自分の妥協の出来ない性格に悩み、妥協の出来ない性格ほどいい芸術の道をとった。
芸術ではタイムリミットはない、10年でも20年でも30年でも40年でも自分の心の世界を建築する時間はある、
その間、生きていければだが。
40年以上、組織でなく、「ひとりのカリキュラム」で「フォロアーの居ない孤独な研究」をやっている。

エリート集団ほど競争は過酷です。
安田講堂立てこもり事件で東大の入試が無かった年、28倍の倍率を突破して入学した建築学科一年生で選択した社会科学の最初の授業で、担当の若い優秀な講師が「この中でノイローゼを経験した人は手を挙げて下さい。」と言った。
本来建築学科の定員は180名だが翌年の東大入試で抜ける学生を予想して定員を水増しした240人のクラス全員が手を挙げたのには驚いた。かように、競争の原理は犠牲もまた大きい。

不服申し立てでの記者会見での小保方晴子氏の発言には、女性ならではの上品な愛の原理の存在もしっかり感じたのでほっとしたことだった。彼女は私のような馬鹿田大学の理工馬鹿ではない、良い資質に恵まれた博士だと思う。
私が大学に在籍して良かったことのひとつは、この一般教養の授業でフランクル博士の「夜と霧」をテキストに読んだこと。何故ホロコーストが起ったかを掘り下げる講師の研究で、「ドイツ人の縦社会という精神構造」に起因するという彼の結論だった。

この縦社会は日本も同じ。
真逆なのはフランス人の横社会で、「殺せと命令されても自分の良心に反する場合、フランス人は、自分自身の良心に照らして間違っていると判断したら、たとえ上官の命令でも拒否する権利があると考る。」これが彼の研究だった。
確かに「上は絶対だ」という「命令に盲従させる教育を施された軍」は「カルト」と同じで、ロボット兵器や無人爆撃機のように暴走暴力性が当然強い。フランスは占領され、フランスは地下レジスタンスを続ける構造にはなる。

真理として「戦争は惡」であり、「神に対する反逆」であるゆえに、アフガンでもイラクでも一発数千万円のミサイルをあれだけ使い、宇宙ステーションからも鮮明に見えるほどの爆撃破壊を行い、あれだけの血を流しても、アメリカは撤退せずにはいられなかった、武力で何ら解決が成ったろうか。
戦争のたび、愚かにも人類は世代を越えて忌まわしい後悔と恥と後遺症に苦しまねばねばならない。
ベトナム戦争でも、ベトナムでの戦死者の3倍の若者が母国に帰還後、心を病み自殺している。
そして後になって、アメリカ政府はベトナム戦争は過ちだったと宣言する。
双方の戦死した私と同じ世代の若者は酷い、生きていれば進化のチャンスを随分得られたろうに 。
あの頃、空母からの良心的脱走米兵をかくまったべ平連の小田実は偉いと40年経った今でも思う。

神の世紀と言われる21世紀、クローンや臓器移植、DNA改変のように神の領域とされてきた分野に人類の研究と関心が殺到している。しかし、すでに、これは大変なおぞましい結果をもたらしている。
慶応大医学部での不妊治療としての提供者秘匿の精子提供で生まれた医師のニュースがあった、DNA検査をきっかけに40歳になっても自分の父親を捜している。40歳になって自分がクローンであることを知った医師はまだ居ないと思うが・・・。
想像するだに恐ろしい。

専門的なことは分からないが、若い小保方晴子博士の研究論文に対して、ある瞬間、絶賛からバッシングに、得点法でなく徹底した減点法にがらっと変わり、理研という組織のみならず自民党組織をあげ、国会、メディア、さらにお抱え学者まで使って、何故こうまでして焦点からはずれた瑕疵をとがめ罪人に貶める必要があるのだろう・・・という大きな疑問は井戸端会議中の主婦たちでさえも皆持っている。
理化学研究所の三代目所長は大河内正敏で太平洋戦争中、原爆製造の責任者だった。
陶磁分野では東大で彩壷会という陶磁研究鑑賞会をつくりこれが日本の陶芸ブームの魁だったように記憶している。
あの電力の鬼と言われた陶磁コレクターでもある松永安佐エ門、東北電力会長だった白州次郎(陶磁コレクター白州正子の夫)のことなどを考えると、ショックなことに原子炉と陶芸の窯が手の平の表と裏のように見えてくる。

不服申し立ての小保方晴子氏と脱原発の広瀬隆氏には、同じ早大理工での過酷な学生生活で培われた芯の強さと清い学者の良心を感じる。そもそも早稲田大学は野党政治家を育てるために大隈重信が創った大学で、総理大臣が生まれるようになったらもう世も末だ。
広瀬隆氏は原子炉の危険性を予見し、警告を続け、3.11で現実のものとなった。ノーベルもオッペンハイマーもサハロフも科学者として人類の幸福あるいは国のため、正しいミッションと信じて尽力した。達成後に、戦争と政治に利用されたとはいえ、なんと恐ろしい真逆なことをしでかした自分というものに気が付き、弾圧覚悟で平和運動に身を投じ、それぞれ、FBIに脅迫され、シベリアに流刑にされ、死ぬまで苦しみ悔やみ抜いた。
あのヒットラーでさえも原爆を「これは悪魔の兵器だ!」と言って製造の途中で手を引いたという皮肉。

今回の騒動をオブザーバーとして四万十川上流の「西行の墓穴」から酒壜を抱えつつ妄想するのは、「風の谷のナウシカ」の「火の7日間」の前に、「巨神兵」を創ったのがオッペンハイマー博士とサハロフ博士なら、農耕目的で「ヒドラ」をあっさりとエプロン掛けで創ったのが我らが小保方晴子博士ということになる。
その利権と、兵器に利用できる可能性に気が付いた「神聖皇帝の先祖たち」が大騒ぎしているように見える。

<2015年12月21日 後記>
「Nature,com SCIENTIFIC REPOTS」に2015年11月27日付けで掲載された「STAP細胞」が存在した報告あり。
マウスの体細胞が初期化して多能性を持つ「STAP現象」がアメリカの研究者により発表された。
小保方晴子博士は正しい。

<2016年4月20日 追記>
「あの日 小保方晴子」(講談社・2016年1月28日発行)を読了した。
小保方晴子博士がこの本を出版出来たことは素晴らしい。
STAP細胞は存在するし、小保方晴子博士は正しい。
現在66歳の私にも、過去にこうした理不尽な目にあったことがあるので腑に落ちるし、よく分かる。
トロンを開発した日本人技術者たち、あるいはカナダのアブラム・ペトカウのような例に近い。

以下に208ページの文章を抜粋,掲載させて頂く。

6月の終わりの検証実験参加の打ち合わせの帰り道に、STAP幹細胞が間違いなく若山研にいたマウスに由来しており、そのマウスがアクロシンGFPマウスであることがわかったと私は連絡を受けた。
連絡をくださった方に「アクロシンGFPマウスはどんなマウスなんですか?」と伺うと、「精子がGFPで光るという性質を持っている」と教えてくれた。
私は若山先生が光る精子を顕微授精する実験を行っていたことを思い出し、その時の実験の写真も残っていることを思い出した。「若山先生は光る精子で実験をしていました」と告げると、「確信犯」と言葉が帰ってきた。

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