|
龍窯考
殷の時代(3500年前)から中国には龍窯(ロンヤウ)という窯があります。
神の窯(中国では龍は神を表す)という意味か、山の起伏に沿って長くうねり、炎を吐くからそう名づけられたのかは不明です。
本格的な窯のなかった日本には5世紀、百済の滅亡とともに伝えられ、奈良・平安時代には須恵器が焼かれていましたが、中世に入ると日本独自の自然釉の黄金時代を迎えます。
そして秀吉の文禄・慶長の役で朝鮮からもたらされた、施釉の連房式登り窯にとって変わられ、姿を消します。
しかし1930年代に復活が始まり、連房式登り窯と区別して穴窯と呼ばれ始めます。
加藤唐九郎(以下敬称略)、荒川豊蔵、常滑の江崎一生、信楽の杉本貞光、備前の森陶岳には学ばせて頂きました、同じ時代に生まれ合わせた事に感謝しています。
私はハイエルダールの「コンチキ号漂流記」が大好きです。
古代の叡智という共通点をロンヤウとバルサ材の筏のコンチキ号との間に感じます。
穴窯は、国際標準語でロンヤウと呼んだほうがその「実体」に合っていると思います。
私の窯はロンヤウです。 |