NAYA MUSEUM PROJECT
早稲田陶芸

     
   
  NAYA MUSEUM PROJECT展 登録文化財 兒山家住宅

鬼才・武吉廣和の壷展 開催のごあいさつ

自然釉の壷の個展を開催いたします。
作者の武吉廣和さんは、わたしの大学時代の陶芸サークルの先輩です。
専攻は建築でしたが陶芸サークルで陶芸に激しくのめりこみ、プロになった最初の人です。
ふるさと土佐の四万十川上流の山奥に須恵器と同じ穴窯を築き、30年間こもり続けています。
彼の研究のテーマは自然釉の体系的解明です。分かりやすく説明します。
赤松30トンの薪を投入、10昼夜かけて須恵器と同じ還元焼成、炭化冷却という高度な焼成法を行うと、薪の降灰が高温により壷に付着して自然釉というガラスになります、これは基本的には、かの美しい品格の青磁釉と同じものです。
「自然釉と青磁釉とは地続きである、ゆえに世界で最も美しい壷が自然釉の延長線上に焼けるはずだ」というのが武吉さんの持論です。
兒山家のある堺市陶器北は日本書紀に「茅渟県陶邑」と記され、須恵器が焼かれた地です。
何かの符合でしょうか?
武吉さんは「江戸時代に建てられた兒山家住宅の建築とのコラボレーションと思っています。」
とのことです。
                                     兒山万珠代